「バルナバ」とは
「優しさ・親しみ」を意味するヘブライ語、
わたしたちの想いがそこにあります。
美味しいものをたべるって大切なこと
#1『バベットの晩餐会』(映画)

あらすじ

19世紀後半のデンマークの片田舎、村を支える牧師だった亡き父の遺志を継ぎ質素で品行方正な暮らしを続けている初老の姉妹のもとに、フランスの動乱で家族を失った女性が家政婦として住み込みで働くことになる。
彼女の名がバベット。
ある日、姉妹の亡き父である牧師の生誕100周年を祝うことを信者である村人たちに提案しますが、なかなか折り合いがつかず一向に話がすすみません。
そんなある日、家政婦バベットの元に宝くじによる”高額の当選金”のお知らせがやってきます。その金をもとに彼女はフランスに帰るであろうと誰しもが思いきや、バベットはその”生誕祭”の料理を自分に作らせて欲しい、経費は全て自分負担で、と提案。なんと彼女はこの晩餐会に当選金すべてをつぎ込んでしまうのです、さて晩餐会の行方はいかに

同じ釜のめしを食う、というのは苦楽を分かち合った親しい間柄であることのたとえを指すが「食事を共にする」というのは人と人との関係に大きな影響がある。美味しかったもの、美味しくなかったもの、すべてが思い出と共にあり「誰と一緒だったか」はとても重要だ。
あなたにとって忘れられないほど美味しかったものってなんでしょう。
美味しい料理が出てくる映画を聞かれたら真っ先に思い出すのはこの「バベットの晩餐会」、19世紀後半のデンマークの片田舎を舞台に描かれた物語でタイトル通りこの映画の主役は「晩餐会」です。

バベットは長いことこの村で家政婦として慎ましく働きますが、実は彼女はフレンチの有名レストランで名を上げた凄腕シェフだったのです。この宝くじの当選金でまさに「金に物を言わせる」勢いで。村では誰もが見たことのないような食材が次から次へと運ばれてきます。
ウミガメ、うずら、氷柱と、片田舎に暮らす人たちにとって”都会のグルマン”たちの食材はもはや邪悪な儀式の生贄にも思え、出会ったことのない料理に村人たちは不安を覚え静まり返った状態でこの晩餐会は始まります。
しかし食事を囲んでさまざまな人々の思いが交わり、バベットの生み出すその最高峰の味わいに舌も胃袋も心も満たされる人々の表情の変化は、映画史に残る幸せなシーンと言っても過言ではありません。
このテーブルには、この料理の素晴らしさ、希少な酒の価値などがわかる人とそうでない人が同居している、というのがまた面白さでもあります。どこにでもうんちく好きはいますが、そんな情報があってもなくても、本物の美味しさは等しく人の気持ちをほぐしていくことを教えてくれるとても素敵な映画です。美味しいものをたべるって大切なことですね。ぜひご覧ください。

1987年製作/102分/G/デンマーク
原題:Babette’s Feast
配給:コピアポア・フィルム
日本初公開:1989年2月18日

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